すべてが終わった後に君は何を想う。 巨大な渦の奥に巻き込まれて消える幸福、苦悩、歓喜、寂寥。 詩人もそこに飛び降りて飲み込まれていく。
言葉は留まっており、誰の声も聴こえない。 行動は不器用で、誰も成功者ではない。 街は忙しそうにしているが、 隅っこにはイエス・キリストの像を抱えながら泣いている者がいる。
悲しみを乗り越えて、明日にむかっていくには、 失くしたものを本当に失くさなければならなくて。 日常生活に集中していれば、宇宙に還っていこうとするそれはくっきりと輪郭を表すが、同時にさようならを告げる。
記録を作らなくてもいい。 頂上に登らなくていい。 偉い人にならなくていい。 神様がいなくても、ここはすでに天国。
「もうすぐ、輪廻転生するよ」と体のない者が囁く。 すべてが終わると海亀の子供の背中にのっている小さな希望は、誰も知らない海を静かに渡っている。 目指すは羊の世界。
