星座の旧支配天体はどのようにして決められたか

占星術を少し勉強したのであれば、どの天体がどの星座を支配しているか覚えるでしょう。さて、この支配天体はどのようにして決められたのでしょうか？2世紀の古代ローマの天文学者、占星術者、数学者のプトレマイオスによる西洋占星術の本「テトラビブロス」を紐解いてみました。下の図では星座がどの天体に支配されているか示しています（図はwiki commonから。）天王星、海王星、冥王星が発見させる以前の本なので、それら３つの天体ははいっていません。

• プトレマイオスは「蟹座と獅子座は他の星座よりも北に位置しており、地球の天頂に一番近づくので、蟹座と獅子座は暖かさと熱をだす」、と書いてあります。あとプトレマイオスの本には書いてありませんが、北半球ですと、一番暑い時期と陽の長い時期が蟹座と獅子座の季節というのもあるでしょう。一番強い熱をだすと思される獅子座と蟹座には、光を発していると思われていた天体である太陽と月があてがわられました。「太陽と獅子座は男性的、蟹座と月は女性的」、ということでこのペアになったようです。

• まず、太陽と月（ルミナリー）が支配する星座が決定しました。蟹座の隣の双子座、獅子座の隣の乙女座はどちらも水星に支配されていますよね？　「太陽に一番近い」という理由で水星があてがわれています。

• 水星の次に太陽に近いのは金星です。ここでお判りでしょうか。双子座の隣の牡牛座と乙女座の隣の天秤座には金星があてがわられています。

• そのまま進み牡羊座と蠍座には、金星の次に太陽から近い天体である火星があてがわられます。

• 魚座と射手座は、その次の天体の木星があてがわられます。　

• 熱をだすといわれている蟹座と獅子座から一番遠い星座の水瓶座と山羊座には、太陽から一番遠くて冷たい世界であろうと思われていた土星があてがわられています。

因みに、どの天体が古典占星術で吉星か凶星か決定されるのも、この図も参考にされているようです。

• 蟹座の月と双子座の水星は３０度、獅子座の太陽と乙女座の水星は３０度を形成するので、それ故に水星はニュートラルな天体。

• 月と牡牛座の金星は６０度を形成。太陽と天秤座の金星は６０度を形成。６０度は安定して力をだせる角度なので、それ故に金星は吉星。

• 月と牡羊座の火星は９０度を形成。太陽と蠍座の火星は９０度を形成。９０度は破壊的な力をだすので、それ故に火星は凶星。

• 月と魚座の木星は１２０度を形成。太陽と射手座の木星は１２０度を形成。１２０度はポジティブな力をだすので、それ故に木星は吉星。

• 月と水瓶座の土星は１５０度形成&山羊座の土星と１８０度。太陽は水瓶座の土星と１８０度&山羊座の土星と１５０度を形成。１５０度も１８０度もスムーズにいかない、障害のでる角度なので、それ故に土星は大凶星。しかも、太陽と月から一番遠い位置に土星はいるので、古典占星術では土星が一番恐れられていました。

支配天体と天体の性格を決定された経緯は他にもあるかもしれませんが、上記のことも主な理由だった、ということです。

以上です。

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